着せ替え人形に,服を着せることができるのは服を脱がすことができるから。とあるファイルにプロテクトをかけることができるのは,そのプロテクトをクラックできることの証明。
米国マイクロソフト社は17日,MP3に代わるものとしてウィンドウズ・メディア・オーディオ(WMA)フォーマットを発表したが,その直後から,再生に関する制限を取り除くクラッキング・ソフトウェアが出回り始めた。WMAファイルは,再生を1台のパソコンに限定したり,再生可能期間や回数を制限したりできるなど,非常に優秀なセキュリティを有しているとされていたが,MP3を扱うウェブサイト,ディメンション・ミュージックに登場したunfuck.exeは,それらの制限を外すことができる。
1日,というか24時間も持たずに破られてしまうプロテクトというのは,う〜ん(^^ゞ。はたから見てると,そのプロテクトを付けるのにいくらかでも時間を割いたんだろうし,恥ずかしい気持ちにおそわれてしまいそうだが…。まぁMP3の問題も含めて,ネットワークでの音楽配信で儲けようという人たちにはあれやこれや問題が多すぎて,明るい未来が見えない。純粋に音楽を楽しみたい人たちには,願ったり叶ったり(^_^)。
しかし,ソフトウェアプロテクトはすべて,ソフトウェアクラックで対処ができるのは当然のこと。着せ替え人形に服を着せることができるのは,その服を脱がすことができるからなのとおんなじ論理。ソフトウェアクラックのできないソフトウェアプロテクトというものは存在しない(もちろん,その難度はさまざまだろうが)。そう考えると,ネットワーク上での音楽配信は,ハードという要素が存在しないことで,本質的にプロテクトのない,裸の状態とも云える。マイクロソフトの失敗は,決して特別なことではなく,普通なこと,と考えるべき。
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